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効率よく走るためのトレーニング方法 ハートレイトトレーニング
心拍トレーニングと呼ばれることの多いこのトレーニングは心拍数を目安にして運動の強さをコントロールしながらトレーニングを行います。
心拍数は、運動の強さを把握するための最も有効な数値です。そのため、心拍数の上がった状態を目安とした運動でトレーニングをすれば、短い時間で走るための体力効果を最大限上げることができます。このように理想的なペースでトレーニングが出来、なおかつ効率良くレベルアップが図れるため、多くのアスリートがハートレイトトレーニングを実践しています。多くの市民ランナーはコーチが不在で、自己流で闇雲にトレーニングしている人が多く、何を目安にすればいいか分からないという人も多いようです。
健康のためにウォーキングやジョギングをする人たちにとっても、それぞれに適した強さの運動ができるハートレイトトレーニングは極めて有効なトレーニング方法です。
ハートレイトトレーニングを始めるには
最大心拍数
ハートレイトトレーニングを行うには、どの程度の心拍数でトレーニングしたらよいかをつかむことが前提となります。まず、自分の最大心拍数を知ることが第一歩です。
運動が激しくなれば心拍数も上がります。これは心臓がより多くの酸素を体の中に送り出そうとしているからです。毛細血管がどんどん増えて、酸素が身体の隅々までいきわたり、脂肪をエネルギーに変える能力が高まっているということです。しかし心臓の動きにも限界があり、心拍数は一定のレベルまでしか上がりません。これが最大心拍数です。
最大心拍数の把握
最大心拍数を正確に把握するためには、実際に運動をして(1000〜1500mの距離を走るなど)、もうこれ以上は走れないというところで心拍数を測ります。
それが最大心拍数です。
また、【220−年齢】という簡単な算式で大体の最大心拍数を求めることができます。例えば30 歳の人であれば最大心拍数は190ということになります。 最大心拍数とは性別や運動経験などによりますが、年齢とともに最大心拍数は下がっていくのが普通です。
効果的な有酸素運動レベル
3段階の目標心拍数レベル
どの程度の心拍数を目標にトレーニングしたらよいかは、最大心拍数を基本として、運動として効果的な心拍数=目標心拍数を「軽い運動」「ややきつい運動」「激しい運動」の3段階に設定します。では、なにを目安にするのかと言うと、最大心拍数を目安にします。
「軽い運動」は最大心拍数の60〜70%で、ウォーキングや軽いジョギングなとによって体脂肪を燃焼させ、健康増進を図るレベルです。
「ややきつい運動」は最大心拍数の70〜85%で、体力増強させることや運動能力の向上を図るレベルです。
「激しい運動」は最大心拍数の85%以上で、競技成績や試合などを意識した限界を超えることを目標としたアスリート選手レベルの心拍数となります。
効果的な有酸素運動レベル
「軽い運動」「ややきつい運動」「激しい運動」の3つの目標心拍数レベルのうち、「軽い運動」と「ややきつい運動」が有酸素運動(エアロビック運動)となります。
公式で表すと
【(220−年齢)×0.60〜0.85】が最大有酸素心拍数となります。
180公式(マフェトン理論)
マフェトン理論とは、フィリップ・マフェトン博士が考案したマラソンやトレーニング理論です。マラソンやトライアスロンなどの持久力スポーツのトレーニング方法で、有酸素運動に最も効果的な運動強度を明確にするものです。
マフェトン理論では最大有酸素心拍数の設定を【220−年齢】ではなく、【180−年齢±5】としています。例えば30歳の人なら【180−30±5】で145〜155の心拍数がトレーニングの目安となります。これは180公式と呼ばれ、その強度が運動経験の無い人でも無理なく続けていけるぐらい楽なのが特徴です。マラソン初心者や自己流でランニングが続けることができなかった人でも安心して行うことが出来ます。
ハートレイトトレーニング実践方法
平坦コース
ハートレイトモニターを身に付けて行うのが一般的です。
目標心拍ゾーンをあらかじめ設定し、アラームで教えてくれるように設定します。そのゾーンを越えても下回ってもいけません。
「きつい」設定 では走り始めからそのゾーンで走ることはできないので、どのくらいの運動でそのゾーンに到達できるかをチェックしながら走り始めます。
アップダウンコース
アップダウンがあるコースの場合は、速度も距離もあまり気にせず、心拍数の管理に集中します。まず目標心拍数を設定したら、上りでそれ以上に上がらないように、下りでは目標心拍数を下回らないように注意します。アップダウンに関わらず一定の心拍数で走ることが最大の効果的なハートレイトトレーニングです。
ハートレイトトレーニングの効果
運動能力が高まれば同じ運動をしていても心拍数が減少します。これはトレーニングにより心臓が楽に血液を送り出せるようになったためです。
このように自分の運動能力の進化を客観的に判断することができ、走ることへのモチベーションを高めることが出来ます。
もし変化が見られない場合にはトレーニング内容に問題があることも考えることが出来ます。また、心拍数がかえって高くなったりした場合には体の不調も考えられ、自分の心拍数を知ることによって体調を管理することも出来ます。