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ランニング・ジョギングの基礎知識 血圧とランニング
現代では、私たちの生活や健康と切り離せないのが「血圧」です。健康診断で「高血圧」と診断されたけれど、薬に頼りたくない…という声もよく聞きます。健康維持やダイエット、美容目的でランニングやジョギングを始める方も多いですが、継続して走る習慣を身につけることによって血圧を下げる作用があるとも言われています。だからといって、むやみやたらに走れば良いというわけではありません。ここでは「血圧とは何か」ということから始め、効果的に血圧を下げる走り方のポイントや血圧とランニングの関係について考えていきます。
血圧とは
普段何気なく使っている言葉ですが、そもそも「血圧」とは、何なのでしょうか。
血圧とは、心臓から全身に血液を送り出す際に生じる血管内の圧力のことを指します。
血管の中でも、血圧は動脈内の圧力を2つの数値で表したものとなっています。
そのうちの一つは、最高血圧と呼ばれる「収縮期血圧」。これは、心臓が収縮して全身に血液を送り出している時期の圧力ことです。もう一つは、最低血圧と呼ばれる「拡張期血圧」で、心臓が収縮を終えて心臓内に血液を溜め込む時期の圧力ことを指しています。
厚生労働省による日本でのガイドラインでは、正常な血圧の数値は最高血圧が130未満、最低血圧が85未満と定められています。ちなみに、高血圧の基準は、最高血圧が140以上、最低血圧が90以上とされています。
血圧を下げるには
高血圧になる原因として、運動不足による血液の循環の悪さや、筋肉の減少や衰え、肥満やストレスなどが挙げられます。
そのため、投薬療法以外に高血圧を改善する方法として、食事療法と併せた運動療法が効果的だと言われています。
特に軽度の高血圧(140〜159/90〜99)の場合には、薬に頼らなくても食事療法と運動で正常値に近い状態まで血圧を下げられると考えられています。
一般的には、運動をしている最中には血圧が上昇します。
これは血液の循環が良くなり一時的に血流の量が増すためです。血圧を下げるために運動する場合には、運動なら何でもいいと言うわけではありません。
運動には大きく分けて、有酸素運動と無酸素運動があります。この中でも、降圧に効果的なのが有酸素運動です。有酸素運動とは、酸素を多く体内に取り込みながら、一定の動作を持続して行う運動を指しています。
有酸素運動の代表的なものとしては、ウォーキング・ジョギング・ランニング・水泳などが挙げられ、これらの適度な有酸素運動を取り入れることによって、心臓や肺が活発に働くようになり、血液の循環も良くなるのです。
また、血圧を上げる物質が減る代わりに血圧を下げる物質が増え、徐々に血管に弾力性がついていき血圧が下がってきます。また、有酸素運動を長期間に継続して行うことによって、しだいに筋肉が増えていきます。筋肉が増えることで基礎代謝も上がり、内臓脂肪を減らすことができるために血圧を下げる作用があることがわかっています。また一方では、運動の習慣のある人と比べて、運動する習慣のない人の方が血圧は高めになるというデータもあります。
高血圧とランニング
現代では、私たちの生活や健康と切り離せないのが「血圧」です。健康診断で「高血圧」と診断されたけれど、薬に頼りたくない…という声もよく聞きます。健康維持やダイエット、美容目的でランニングやジョギングを始める方も多いですが、継続して走る習慣を身につけることによって血圧を下げる作用があるとも言われています。だからといって、むやみやたらに走れば良いというわけではありません。ここでは「血圧とは何か」ということから始め、効果的に血圧を下げる走り方のポイントや血圧とランニングの関係について考えていきます。
では、高血圧の人がランニングをするのは身体に良いことなのでしょうか。
高血圧の程度にもよりますが、運動強度の低い有酸素運動として行う場合には、一般的には良いとされています。ただし、ランニングによって心拍数や血圧も一時的に上がりますから、高血圧を診断されている人は医師に相談してから始めることをおすすめします。
それでは、高血圧の人がランニングをする場合に気を付けるポイントについてご紹介しましょう。まず、スピードについて言えば、終始おしゃべりができるくらいのゆっくりしたペースで走るのがベストです。厳密に言うと、これは「ランニング」というよりは「ジョギング」のカテゴリに分類される速度です。もしくは、最近流行っている「スロージョギング」の範囲に入ります。
スロージョギングとは、歩くのと同じぐらいのペースでゆっくり走ることです。速さの目安としては、おしゃべりしながらニコニコと走れる程度で、時速にすると4〜5kmで走ることを言います。一人で走るなら、鼻歌が歌えるぐらいのペースをイメージしてもらえば良いでしょう。運動が苦手な人や走るのが嫌いという人でも気軽に続けられる健康法として、注目されています。この場合も、いきなり走ることから始めずに、まずはウォーキングから身体を慣らしていくことをおすすめします。苦しさを感じる運動強度の高い動きは無酸素運動になってしまうので、ウォーキングとランニングの間ぐらいのイメージでゆっくり走ると良いでしょう。
次に、こまめに水分補給をすることが大事です。「喉が渇いた」と感じた時には、すでに体内は水分不足の状態です。走ることに徐々に慣れてきて長い時間走れるようになってきたら、スポーツドリンクなどを持参するのがおすすめです。
そして、継続することも大切なポイントです。三日坊主にならないように、無理な目標は掲げず自分のペースで「楽しい」と感じながら走ることが一番です。30分から1時間程度かけてゆっくり走ることを週に3回ぐらい行うのがベストです。「継続は力なり」となることを頭に入れておきましょう。走り始めて数週間程度でも血圧が正常値に近づいていくというデータもあります。まずは1週間、そして2週間と続けることを心がけ、すぐに効果を期待せずに長い目で見ると良いでしょう。