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ランニング・ジョギングの基礎知識 トラブル・故障豆知識 熱中症と水中毒などのトラブル
ランニングは運動不足解消やダイエット効果をはじめ、体内リズムの調整、免疫力向上など、健やかな体を維持するのに大変有効的なスポーツとして人気です。
場所を問わず気軽に始められ、日々のストレス発散にも効果的。メンタル面でも優れた効果を発揮します。
しかし、正しいランニング方法やランニングにまつわる知識を持ち合わせていないと、思わぬアクシデントやトラブルといった危険が常に潜んでいます。ここでは高温環境下でのランニング中に起こりやすい熱中症と水中毒についてまとめます。
熱中症
様々なスポーツの中でも屋外で長時間熱にさらされるランニングでは特に発症例が多く、梅雨明けから真夏の炎天下では危険が伴います。
症状や対処法、予防などをよく理解したうえで、正しいランニングを心がけて下さい。 熱中症の重症度は次の3つ。更にその症状は熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病などに分類することが出来ます。
Ⅰ度:軽症 熱失神
時間直射日光にさらされたり、高温多湿の室内で起こったりするのが熱中症の初期症状です。熱放出を高めようと皮膚の末梢血管が拡張。脈が速くなり血圧が低下し、脳内の血液循環が低下してしまうことが原因です。
症状
めまい、立ちくらみ、唇のしびれや軽い失神などが挙げられます。呼吸が荒くなり、顔色が悪くなるのも症状の一つです。
対処法
初期症状であるがゆえ、自分が熱中症にかかっていると気づかずつい無理をしてしまう方が多いようです。少しでも怪しいと思ったら無理をせず、すぐに涼しい場所へ移動。水分や塩分を補給しましょう。
Ⅰ度:軽症 熱痙攣
高温環境下で大量に汗をかき、水分のみ補給した結果、体内の塩分濃度が低下しミネラルバランスを崩してしまうことが原因です。
症状
足や腕、腹部などの筋肉に痛みを伴った痙攣が起きます。水分補給はしているので、体温は平常で意識もある状態です。
対処法
まずは涼しい場所に移動し、塩分を含んだ水分を補給。頭を低くし、衣服を緩め、落ち着いてきたらストレッチやマッサージをし、暫く安静にしましょう。
Ⅱ度:中等症 熱疲労
著しい発汗により、水分と塩分補給が追い付かず脱水症状を起こしている状態です。
症状
めまい、倦怠感、脱力感、頭痛や吐き気などを伴います。症状は様々ですが、大量発汗、血圧低下、頻脈、皮膚が冷たく蒼白になります。
対処法
応急処置としてまずは涼しい場所へ移動。着衣を緩め、足を高く保ちます。首、わきの下、足のつけねを氷やアイスパックなどで冷やし、塩分を含んだ水分を補給。回復後、病院で適正な処置を受けましょう。
Ⅲ 度:重症 熱射病
視床下部の温熱中枢まで障害がおよび、体温調節機能が出来なくなった状態です。ただちに救急搬送が必要な状況で、最悪の場合、多臓器不全で死亡する危険性があります。
症状
体温が異常に上昇し、皮膚は赤く、脈が強くて速い状態です。体温調整が出来ない状態ですので皮膚は乾き、発汗も止まります。応答が鈍い、言動がおかしい等の意識障害も見られます。
対処法
直ちに救急車を呼びましょう。呼吸、脈を確認。涼しい場所で足を高くし、手足や全身に水をかけたり、首やわきの下、足のつけねを氷やアイスパックで冷やしたりなど、体温を下げる処置をとりましょう。ただし、冷やし過ぎで震えが見えたら止めましょう。呼吸が無い場合は人工呼吸やAED等で心肺蘇生を行う必要があります。
ランナーにとって熱中症を予防など万が一に備えることも大切です。気温の高い日や時間帯、特に湿度を伴う日のランニングは無理をせず、走る場合は塩分の入ったスポーツドリンクを必ず携帯しましょう。吸湿性と通気性に優れたウェア、日差しを遮る帽子やタオルなどの工夫も必要です。
水中毒
また、イヴプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬は肝臓機能が弱り、水中毒になりやすい報告もあります。服用中の方は特に注意が必要です。ランニング中において水分の補給は必須ではありますが、必ず塩分と水分の両方がバランス良く摂取できる飲み物を用意しましょう。塩気の強い飴玉や梅干しも水中毒対策には有効です。普段から汗を多くかく方、また水分摂取が多いなと感じる時は積極的に舐めるとよいでしょう。
ランニング後も少し多めに塩分を摂取しましょう。
症状
疲労感やめまい、吐き気、息切れ、手足のむくみ、痙攣などがみられ、重症の場合は脳浮腫による頭痛、更には意識障害をおこします。
対処法
上記のような症状が現れた場合、排泄を促し、ゆっくりと塩分を含んだスポーツドリンクなどを補給をしましょう。