HOME ▶ランニングパーティ・ランニングにお役立ち ▶フラット走法
ランニング・ジョギングの基礎知識 フラット走法
従来、ランナーの多くはかかとから着地する「ヒールストライク走法」を実践してきました。
その理由の一つとして、足腰にかかる負担が軽いためだと考えられていたようです。
ですが、最近では「フラット走法」と呼ばれる足裏全体で着地をする走法や、前足部で着地する「フォアフット走法」が注目され、多くの市民ランナーにも取り入れられています。
ここでは、具体的なフラット走法の方法やメリット・デメリットにも触れて詳しくご紹介していきます。
フラット走法の特徴
フラット走法とは、足裏外側から足裏全体で着地し地面を押し出すようにしっかりと蹴って走る方法のことを指します。
マラソンや長距離を走る際に理想的なフォームだと言われていて、身体の重心の真下に着地して拇指球からつま先へと抜いていくイメージで走ります。重心の上下動を少なくすることで膝への負担が少なく、骨盤をやや前傾にすることで重心移動がスムーズになります。もともと日本人は、欧米人と比較すると自然とフラット走法ができるような骨格をしているため、ピッチ走法でスピードが上がれば、フラット走法になるのが一般的のようです。
フラット走法のメリット・デメリット
重心の前に着地する「かかと着地」に対して、重心の真下に足裏全体で着地するのが「フラット着地」です。最近は「フラット走法」などと呼ばれることが多いようです。フラット走法のメリットというよりも、従来のかかとからの着地のデメリットとも言えますが、かかとでの着地は身体への衝撃が強いことが挙げられます。走っている時の衝撃は、体重の約3倍とも言われていて、知らず知らずに身体に負担がかかっていることになります。衝撃を和らげるランニングシューズも数多く市販されていますが、正しいランニングフォームを身につけることでもその衝撃を軽減することができ、その一つが「フラット走法」だと考えられています。
一般的にフラット走法では重心の上下動が少ないために、膝を痛めたり故障をしたりしにくいというメリットがあり、ダメージが少ないころから「省エネ走法」とも言われています。また、「かかと着地」は、上り坂では進行方向への推進力に欠け、下り坂では着地衝撃が大きいためにブレーキとなってしまうのに対して、フラット走法はロスも少ないためにスピードがアップすることも大きなメリットと言えるでしょう。
意識して、かかと着地のヒールストライク走法からフラット走法にフォームを変えるというよりも、まずは自分が普段走る時の着地がどこからなのかを知ることが大切です。着地に意識を集中して走ってみることや、シューズのかかとの減り具合から「かかと着地」なのか「フラット着地」なのか、あるいは「フォアフット着地」なのかが判別できるでしょう。個人差が大きいために絶対的に正しいランニングフォームというものはありませんが、長距離を楽に速く走るためには、重心の真下で着地するフラット着地を身に付けるのが、もっとも効率が良いと考えられています。
数々のメリットが挙げられるフラット走法ですが、マスターするのが難しいために、無理に変えようとするとフォームがバラバラになってしまう可能性があります。その点に注意しながら、自分に合った走り方を見つけるようにしましょう。
フラット着地のポイント
やや前傾姿勢をとり、つま先に重心がかかるように立ちます。その姿勢から身体を斜め前方に傾けていくと、無理に蹴り出す意識がなくても自然と足が一歩前に出るはずです。足裏が重心の増したでフラットに接地していることを意識して、それを繰り返すことでフラット走法が自然と出来るようになります。次に、下腹部から腹筋を締めるような意識で走ってみましょう。それが体幹を締めることにつながります。それによって重心がやや高めになり、自然とフラット着地が身についてきます。フラット着地をするためには、足の動きよりも体幹を中心とした姿勢を意識すると良いでしょう。
フラット走法のコツをつかむために
フラット走法は地面を蹴るというよりも、足裏全体で地面を押して走るイメージです。身体の重心の真下で着地をする感覚をつかむために、まずは片足で軽くジャンプをしてみて下さい。足首を固定したまま片足ジャンプ。足裏全体で地面を押しているイメージがつかめたら、2歩ずつゆっくりとジャンプをしながら前に進んでいきます。徐々にスピードを上げて、最後はそのまま走り出してみましょう。
また、フラット走法はハムストリングを使って走るため、この筋肉を鍛えるのが効果的です。ハムストリングは下半身で最も大きい筋肉で、太腿の裏側の筋肉の総称です。ハムストリングを鍛えるためには、立った姿勢で太腿を高く上げたところから足を振り下ろします。振り下ろした足は地面をひっかくようにしながら、元の位置まで戻します。立ち止まったままこの動きを数回繰り返し、徐々にゆっくりと前に進んでいきます。それを徐々に速くしていきながら、最後はそのまま走り出してみましょう。これらの動きを繰り返していくうちに、自然とフラット着地が体感できるようになるはずです。